2021年01月04日
A1200:パイプ探偵 ナメタソチメ コメソ! Part. 2
どうも、モッズおじさんです。
EU離脱のUKパイプ 転がるパイプに思わぬ価値が 見た目と噂に惑わされるな たったひとつの真実見抜く その名は
ナメタソチメ・コメソ!… 懲りずにまたやります.
来年の話をすると鬼が笑う とはよく言ったものですが 去年の話をするとどうなるだろう…
去年は 長い間渇望していた Comoy’s のパイプが手に入ったら まさかの戦前Comoy’s
で打ち止めかな と思ってたら 長い間1本は手に入れておきたいと思ってた
Bewlay のパイプが最後の最後で手に入りまして
例によって喫煙の話なんで
未成年者と禁煙ファシストとユーゲントは『続きを読む』はご遠慮ください。
Bewlay ってのはロンドンを拠点に展開していたタバコ屋さんで 今は廃業してるんだけど
街角のおばあちゃんのタバコ屋さんとは格が違う 銀座・菊水みたいな高級品取扱店で
ヤフオクで出品していた 横浜の骨董業者さんから落札した Bewlay TWENTY 0 151 が2020年最後の買い物でした.
Bewlay もComoy’s 同様 ずっと欲しかったブランドなんですがコレがまた…
個人的には下町のおばあちゃんが店番してるタバコ屋さんも 味があって好きなんですが
それはさておき 今回手に入れたのが Bewlay TWENTY 0 151 でして。。。
なんか GROUP 4 はありそうなボウルですが 実は火皿そのものは GROUP 1 っつー
いわゆる ポット と呼ばれる肉厚な隔壁のシェイプなんですね♪
骨董業者さんが Bewlay を知らずに TWENTY と表記してたのもあって競合は一切つかず半ば放置状態のひとり勝ち落札.
加えて火皿にはあまり褒められないレベルのカーボンが… すぐ使いたい人には真っ先に避けられる奴ですね?
にしてもコレは… 結構やつれててボウルの色艶はイマイチ で火皿隔壁にはカーボンが
少々多めに蓄積してて そのクセ底はほとんどカーボンが付着していない と来たら。。。
ジュースで最後まで喫い切れなかった前ユーザーだった ってのはなかなかの悲劇でして。
それ以外は結構悪くない状態で DAメソッドと椿油クリーニングで復活は容易ですね?
アルミフィルターは気道を塞ぐんじゃね?って位の大きな球が特徴の奴で ダボ周りは精密な角落としが施されてて
ダボ根元のスラントも丁寧に施されて強度を確保している… よほど名のある匠の仕事であろうby13代目石川五右エ門.
っつー事で ナメタソチメ・コメソが注目したのは… ダボ回りでして。
一見するとごく当たり前なシャンクのエッジ処理とダボの加工方法… 根本は台形に削って
強度を確保するとともにダボ先端は軽く角を落とす って 普通みんなやってるだろ
と思ったら大間違い こういう所で各メーカー各工房の癖が出るんです。
で64 Dunhill GROUP 1 と比較すると… ボウルそのものはデカいけど 火皿は同じ大きさ. ストレート・ヴァージニア等の
うっかりすると火種が大きくなるブレンド用 って事みたいっす.
実際 Charatan’s や BBB なんかでは2段ダボっつって ダボに段差が施されてるし
Dunhill や Barling’s は必要最小限に角を落とす けど Chacom は豪快に角を丸める。。。
別にどうでもイイじゃん Bewlay って分かってんだから と思ったら相当愚かな話で
Bewlay は自社製作しておらず ロンドン中のパイプメーカーに自社パイプの製作を委託してたんっすよ。
カーボン落としのDAメソッドは2021年になってから. 1回24時間漬けたら御覧の通りザックザク掻き出せましたが
ダメ押しで もう1回24時間DAメソッドで残ってるカーボンをそぎ落とします…
委託先は Barling’s、BBB、Charatan’s 、Comoy’s 、GBD、Loewe & Co、Orlik… と
ね? どこが作ったか気になっちゃうでしょ?
特に Bewlay と同じユダヤ教徒で交流が深かった Sasieni が結構委託を請け負っていたらしく
タバコ屋さんオリジナルパイプとしては最強にハイクオリティなパイプ で評判だった らしいんっすよ。
ハイ カーボン除去完了… ココまで落とすと1回はブレークインしといたほうがイイっすね. にしてもパイプそのものの
出来は非常に良い… 斜めに木目の入るクロスカット・グレイン に手間の掛かったほど良い厚みのステム…
で このダボ形状から BBB Charatan’s Comoy’s Loewe & Co.… は1発で消えた。。。残念。
で Orlik だともっとステムのマウスピース部分は薄く仕上げて来るから… 消えた。。。
残るのは Barling’s に Sasieni それに Dunhill… Dunhill は Parker 名義でのライン生産で
委託を請け負ってたらしいから 多分 Parker 辺りが正解なんじゃないか と。。。
名のある匠の仕事はシャンクのダボ接続部の加工とかでも良く分かる… 丁寧な面取りはそれだけで時間を取られるんで
コスト高に繋がる… 手を抜かずに丁寧にやってるパイプは こういう所で差が出るんっすよ.
とはいえ今回手に入れた Bewlay TWENTY のモデルナンバー151 をポットに割り振ってる
メーカーが確認できなかった って事で調査はココまで
と諦めていたんだけど。。。 DAメソッドを2回掛けて洗浄を済ませて驚いたのが
空喫いしたらバニラとは明らかに違う パイプから独特のイイ匂いが。。。
意外と簡単にカーボンが削ぎ落とせましてひと安心 で太い煙道と出荷前に調整が入れられた刃物跡がくっきり浮かび上がって
空喫いしてみると… まさか まさかの独特の甘いイイ匂いが. こ…コレは…!!!
アルジェリアン・ブライヤーとは明らかに違う もっと油っぽい オリーブオイルのようで
オリーブオイルじゃない グレープシードオイルのようでグレープシードオイルじゃない
それは何かと尋ねたら?。。。
あオイルキュアード オイルキュアード オイルキュアード?????
腹の内では Dunhill FLAKE か Robert McConnell BLACK FLAKE を詰めるつもりですが ブレークインを兼ねて
the MALLARD で 着火の瞬間から オイルキュアードの自己主張がすごい事になってまして.
いやコレは… かなり高い確率でオイルキュアードモノだぞ?
っつー事で検証… ステムのOメソッドは後回しにして the MALLARD を詰めて喫ってみますと
。。。 やっぱバニラじゃない 隔壁に火種が回ると露骨に出て来る油っぽい甘味のブースト
コレは。。。 露骨なまでのオイルキュアードだろ。
パテ埋めが無いのは当たり前. 異様に軽いし斜めに入ったクロスカットグレインそれに オイルキュアリングにドライな煙
… 全てが Sasieni を指し示している. けどもっと客観的な証拠がないとナメタソチメ・コメソは断言できないんです.
なにせいつも喫ってる the MALLARD が余計に甘いからね?
で Bewlay が委託していたメーカーでオイルキュアリングをしているのは Dunhill(Parker) とSasieni だけ。
ダボの処理と異様な軽さとクロスカットグレイン それにオイルキュアリングにドライスモーキング特性
。。。 9割以上の確率で Sasieni だけど 俺の欲目で言ってるだけで 客観的証拠が欲しい。
昔の Sasieni の広告より… Sasieni では EXTENSION と呼んでいるアルミフィルターは Sasieni がパテントを持っている.
全く同じものが装着されている事から Sasieni のパイプと判明. これほど客観的な証拠は あり得ない.
決定打になったのが オリジナルのアルミフィルターで… こんなモンみんなこんなモンだろ?
と思ったら大間違い… Sasieni がパテント(特許)を取ってた Sasieniオリジナルのフィルターで
他社はSasieni に使用料払いたくないから極力使用しない形状・構造なんです。
パテントから Sasieni と断定って客観的な証拠は もうガッチガチですね。
そして最後までドライに喫えた… このドライスモーキング技術も Sasieni の特徴で 2020年最後の最後にとんだめっけもん.
ナッティな後味が いつまでも残ります.
っつー事で 真実は いつもひとつ! かふたつ
2020年最後の買い物は 2000円で Sasieni っつーまたまたとんだ掘り出し物だった。
いやマジで Bewlay はパイプ探偵をやる気にさせる要素しかない奴で
掘り出し物遭遇率はかなり高め なので1本買ってみると イイかも。
禁煙ファシストには こういう大人の楽しみがなくて 残念ですな。