2020年12月20日
A1188:パイプ探偵 ナメタソチメ コメソ!
どうも、モッズおじさんです。
パイプの世界は奥が深いぞ人の話に惑わされるな僅かな証拠で真実探る その名は ナメタソチメ コナソ!… キッタネエ字を
口で起こしたら何言ってるか伝わんなくなっちゃう 下手すりゃ原型留めなくなっちゃうの…
UKパイプは過去の資料がふんだんにあって 更に僅かな刻印に時代を鑑定する要素が
詰まってて。。。紐解く楽しみが まさに探偵気分 パイプ探偵 ナメタソチメ コメソ! ですが
ほど良い罠が 楽しみを増幅してくれてまして… 例えば bruyere と刻印があるからDunhill だ!
と思って買ったら Bruyere Guarantee だった。。。とか
例によって喫煙の話なんで
未成年者と禁煙ファシストとユーゲントは『続きを読む』はご遠慮ください。
まぁまぁ前にも書いたけど Bruyere Guarantee はアタリを引けば相当優秀なパイプで
狙って買えばそうでもないけど 今回は紛らわしい名前の奴 って事で
メルカリでもたまにある ヤフオクでは割と見かけるのが MAYFAIR ロゴのパイプでして. POS は大体 London England.
日本では正規輸入代理店が存在しなかったから 謎の存在ではあるんですが 結構食いつく人がいる奴でして.
今回引き合いに出すのは POS. がLONDON ENGLANDの MAYFAIR ロゴの奴でして
そもそも MAYFAIR ってのは5月(may)の春を祝う 祭り(fair)
… って訳して「なるほど春の華やかさが…」と語っちゃうおっちょこちょいがチョイチョイ居ますが
MAYFAIR っつったらロンドンのハイド・パークに隣接する 結構名の知れた高級住宅地の地名で
ロンドンのメイフェア地区はロンドン屈指の高級住宅街で目の前がバッキンガム宮殿とハイド・パークで完全にHolmes のシマ.
地区内には由緒あるクラリッジ・ホテルがあって コレまたパイプの名前に使われてるネタ元なんっすよ.
ロンドン特別区 City of Westminster にあるんですね。
日本に置き換えてみるとパイプに『青山』『広尾』『恵比寿』『白金台』と名前付けてるようなモンで
UKパイプでは意外と ロンドンの街の名前を命名するパターンって多いんですよ。
で。。。 白金広尾的な 憧れの高級住宅地なだけに この名前を使いたがるブランドは多くて
コレは他人の Sasieni Mayfair で メーカーのSasieni が作った Mayfairシリーズ… とても有名な憧れのパイプなので
検索で引っ掛かる率No.1 で パイプに詳しくないとコレと勘違いする悲劇が起こる奴.
Sasieni と Charatan’s のが特に有名で。。。 実はその辺を期待してBETしたんだけど
Sasieni も Charatan’s も ブランドの1モデルなんで Sasieni なら Sasieni と
Charatan’s なら Charatan’s とスタンプされてる。。。けど どこにも ブランド名が 入ってねえ。。。
でも パイプ探偵ナメタソチメ コメソ! としては調べたら面白そうな素材なんで
で コレが今回手に入れた MAYFAIR パイプでして… ぶっちゃけ 届いてパッと見た感想は「イイかも」で 使用痕はかなり
あるけど 純粋にパイプとして見ると嘆く要素が無い 相当な優秀パイプって気がします.
で。。。 調べていくと とあるベテランパイプコレクターのブログにGBD製品と
ガッツリ紹介している過去記事を見つけまして… 特徴はコレとほぼ同じ
なんだけど なんか。。。 GBDを結論とするには なんか居心地が悪い。
スタンプのフォントが若干違うし モデル品番のスタンプが見えないし。。。
POS のフォントは BBB のモノと酷似してて 言われてみると GBD のフォントにも似てる けどモデルナンバーの刻印は
押されていない… 謎が多いのにGBDと言い切るのは どうにも居心地が悪い.
それでも Google検索で『mayfair pipes』で検索すると Sasieni がガンガン出て来るし
ネット上では 「出品者が良く分かんないっつってるけど 多分 Sasieni って所の奴でしょ?
ウェブ版パイプ辞典 Pipedia でも Mayfair で調べると Sasieni Sub-bland / Second って書いてあるし」
で言い切っちゃうパターンに倣って俺も「Sasieni のMAYFAIRです」と言い切っちゃうつもりでした。
割と良い奴 ってのがシャンクのダボ口でして… 丁寧に面取りが行われている. 安いパイプではない証で好感が持てるポイント
インナーチューブはおそらく以前のオーナーがDunhill製品を取り付けたものと思われます.
が。。。「真実を解き明かさねえと気が済まねえのが 探偵って奴でよ…」って事で
『mayfair London made pipes』で検索を掛けたら。。。 Pipediaに再び辿り着きまして
。。。 実は Oppenheimer Group が出資してきたロンドン中小のパイプブランドの中に
あったんです MAYFAIR っつーブランドが。
オッペンハイマー・グループならなんとなく納得… BBB ではお約束の丁寧なダボ口縁取りに酷似したスタンプのフォント
おそらくDunhill と Hardcastle’s のように 後にセカンドブランド編入された中小パイプメーカーだったのではないか と.
Oppenheimer っつったら1920年に BBB を買収した持株会社で パイプの話で良く出て来る
Cadogan の親会社で さらには1870年からGBDと業務提携している会社でして。。。
持株会社って何?をザックリ雑に説明すると 結構口出ししていいパトロン的立ち位置の会社で
かつてロンドンに100件以上あったパイプブランドの多くに出資していたようでして
資本家が出資を約束するだけあって 中小と言えど製作技術は相当なモノだったようで シャンクからステムにかけて施された
女性的な曲線はほぼ完璧なシンメトリーで 優雅さすら感じる独特な仕上がりがこのパイプの個性になってます.
そういう中小のブランドが検索に引っ掛からないから列挙しておきますと。。。
Academy
AO
Bunty
Camelia
City de Luxe
Comoy’s
Dr. Plumb
Featherweight
Finsbury
GBD
Greaves
Hercules
Irwin’s
Knotty
Lafayett
Marcee
Mayfair
Medico
Nicotrap
Orlik
Out-O-Doors
Patrician
Peter Piper
Pioneer
Polo
Riseagle
Rocket
Savoy
Sea-Dog
Silver Dart
Twenty-One
Vanguard
(アルファベット順… Pipedia より2020.12.12.現在)
Comoy’s や GBD とか Orlik の名もありますが 要するに運営資金の出所は一緒だった と。
そりゃSasieni やCharatan’s だったらとんだめっけもん だったけど 素朴さの中に優雅さと英国的品格を持った秀作パイプで
ビンテージ価値もコレクター価値もまるでないけど 喫うには理想的な『道具』としては充分過ぎるほどの価値がありそう.
かつて MINI はオースティン(のちにローバーと改名) だったのが今はBMW だけど
BMW はアイデアと資金は出すけど 相変わらずUK Oxford工場で作る英国車 って関係に似てるみたいっすね。
っつー事で 今回入手した MAYFAIR を見てみますと メーカーロゴがどこにもない居心地の悪さは
そもそも MAYFAIR というメーカーだった っつー結論で居心地が良くなりまして
残念ながら一部にトップオフが成されていて 明らかに過去に誰かが焦がしてしまったんでしょう… それ以外のダメージは
最低限で ステムの咥え心地はComoy’s やOrlik に肉薄する 薄くて疲れない奴. 技術力は高かったんでしょうね.
残念ながら MAYFAIR っつーブランドの資料は全く残っておらず素性は全く分かりません。
とはいえ。。。 かつて Oppenheimer が投資した事実と Mayfair の モノにっては
GBDに酷似したシェイプナンバーとスタンプフォントから 後にGBDに吸収されたか とで
投資するに値する技量を持ったブランドだった んじゃあないでしょうか。。。
ボウルサイズはDunhill GROUP 4 程度で Comoy’s のように広口サイズ って事は… ラタキア物を詰めたくなるのは必然で
実は 5 YEARS MATURED VIRGINIA をゆったりと燻らすのにも向いてるサイズでして.
っつー事で 真実は いつもひとつ!かふたつ。。。 あースッキリした♪
いやマジで 出品する人はみんながみんな パイプ詳しいワケじゃない むしろ貰い物を持て余して
チャチャっと調べてDunhillって書いてある! ラッキー…
っつって 80年代のDunhill に3万円位のプライス付けちゃう っつー。。。
ラタキアとかオリエント物を喫うならインナーチューブを外して Dark & Heavy を狙ったセッティングが良いかと…
中は綺麗でしたが こういうご時世なんで一応ARメソッドを掛けて 綺麗に仕上げる予定です.
あのね 80年代Dunhillに3万円払う余裕あるなら 他で50年代60年代黄金期が買えるし。
とか BLACK PRINCE は Orlik ってネットで書いてあったから で Orlik の値段で売ったら
よくよく調べると Barling London England のサブブランドで儲け損なった とか。
結構奥が深いんです パイプ探偵は。
禁煙ファシストには こういう大人の楽しみがなくて 残念ですな。