2020年11月08日

A1173:コレも大人の嗜み って事で



どうも、モッズおじさんです。


俺の手持ちで一番手持ちで一番デカいのが Ben Wade のオーバーサイズで こうやって比べると同じパイプでも倍違う.
デカいのはラタキアで正解だけど ちいちゃいのは意味分かんねえ っつってるうちはまだまだ未熟者って事で.






さて 手に入れたちいちぇえパイプは 必要以上に優秀な感じでとんだめっけもん

だったんだけど もちろん新品みたいに『買ってすぐ喫える』代物ではなかったワケで。

レストア とまでは行かないにしても

リフレッシュが出来るようになると パイプ生活は楽しくなるものでして



例によって喫煙の話なんで
        未成年者と禁煙ファシストとユーゲントは『続きを読む』はご遠慮ください。



 



元々メンテやリフレッシュが出来るようにならねば と痛感したのは最初のパイプ

VAUEN のステムが壊れた事がきっかけでして



いや実際 新宿加賀屋さんのメンテナンス部門は評価が極端に分かれる… 少々ネガティブが勝ってる気もしますが
折角の傷ひとつないデッドストック品も傷だらけにして 人のパイプ勝手に捨てちゃう で 自分で出来る範囲を広げねば と






とある富豪の遺品を形見分けで叔母さんが貰ってきた未使用VAUEN パイプを修理に出したら

あろうことか 加賀屋の修理工がボウルにガッツリ工具で挟んだ傷を付けて返して来た

死者への敬意もお客への礼儀もあったモンじゃない

オマケにオリーブパイプは「直せない」っつって勝手に捨てちゃう



糖度の高いタバコをジュースまみれにして底まで喫い切れず を日常に続けた結果 本来の底より浅い所にカーボンが新たな底を
形成してしまって結構な空洞が火皿内に出来上がる… コレがハニーポットで ほぼ100% 強烈に硬いカーボンなんです.






無法地帯かよ

っつー事で とても高い勉強代で「自分で直せる範囲を広げなければ」とコツコツと

リフレッシュできるように 仕事の合間に経験を重ねてきたんですが

まずは BBB LIGHTWEIGHT 1505 のハニーポット除去 って



ARメソッド1発目の 真っ新なエタノールを煮沸で通した結果がコレ… ほぼ 泥です. カーボンは沸騰還元の原理で
エタノールが引っ張って除去してくれるけど 全部じゃない 最後はリーマーでゴリンゴリン削る必要は あります.






割とハードル高めなのがそのカーボンの量でして… ARメソッドをいつもの倍以上

でもイイんだけど まずはDAメソッドでひと晩置いて カーボンをふやかして

大雑把にリーマーで削ぎ落としてから ARメソッド に掛けると

結構効率的にカーボン除去が出来るワケでして。



最初はリーマーが少々引っ掛かるけど 力技で削り進めると意外とすんなり除去できるまでに カーボンが軟らかくなってます
が ボウルが冷えると再び硬直するので 硬くなったら再びARメソッドを掛けると すぐ削りやすくなります.


A1173:コレも大人の嗜み って事で



ARメソッドは5回煮沸したらエタノール交換 をワンセットで5セットで大体は綺麗になる

けど 今回のBBB LIGHTWEIGHT はそれでは足りずにもうワンセットで

ようやく綺麗に削ぎ落とせたっつー。。。

つくづく 喫煙者のマナーは考えないとイケマセン。



シャンクの緩みは おそらく多くが放置しといても 喫煙中にパイプ全体が熱せられて体積がちょっと膨張して緩かったダボも
締まるんだけど コレは緩みすぎ… 木工用ボンドの口に差し抜いた爪楊枝で薄く塗って 半乾きでダボを差し込むのが定番補修 と.






BBB LIGHTWEIGHT は かなりおバカな喫煙ブーマーの所有だったらしく

熱持ってるのに強引に引っこ抜いたせいでシャンクがガッタガタで すぐ抜けちゃう。。。

コレは意外と簡単な処置で済むんっすよ。。。 シャンクの内壁に薄く木工用ボンドを塗って

半乾きになった時点でダボを差し込んで安置 でかなり改善されるんです。



CLARIDGEのダボは US Kaywoodie を彷彿させるネジ式アルミダボで Kaywoodieとの違いはアルミフィルターが分離型.
この CLARIDGE はダボの根元にニクロム線の底上げ処理が前オーナーお手製で施されていたけど そのワケは






シャンクの問題で厄介だったのはむしろ CLARIDGE のほうでして… US Kaywoodie でも

同様の事象は起こり得るけど ネジ切りのアルミダボをキュッと締め込んだら

変な角度で留まっちゃう。。。

で 入手した CLARIDGE は前オーナーがニクロム線で水平に留まるように調整が入ってた と。



ニクロム線を除去して締め込むと分かる ステムが40度傾いて固定されて喫えへんやないかーい ってなっちゃうんです.
ネジ式アルミダボは こういうリスクは付き物で それだけに中古市場では実力の割に人気が出ないワケでして.






コレは割とよくある不具合らしくて US Kaywoodie をはじめとしたネジ式アルミダボでは

ダボとステムを接着剤で固定している けど当時の接着剤は耐熱性に少々問題があって

アルミフィルターでモールが通せないから で喫煙中にステムを外してモールを通すって

習慣が付くと脱着時にダボ位置が動いて 結果装着位置が狂っちゃう と。



まずはマスキングテープをシャンクとステム両方に巻いて 締め込んだら任意の個所にマジックで一気に線を1本引く.
この線がシャンクは基準線で ステムは始点になるんだけど 一気に1本の線を引くのが肝心.






理屈が分かれば対処も出来る で偶然にも REBORN PIPE さんが全く同じパイプで

調整を入れてまして。。。 それを元に作業を勧めまして。

まずはダボから底上げ用のニクロム線を除去して 干渉すると厄介なんでアルミフィルターも取っ払って

シャンクとステムにそれぞれマスキングテープを巻いたらマジックで線を引く。。。



アルミダボにも 始点に沿ってマジックで1本線を引く. どうせこの後洗浄作業で溶けてなくなる事になるから気にせずに
思い切り良く線を引いたほうが 後の作業がしやすくなります.






線を引いたら一旦ステムを取り外して 今書いた線に合わせてアルミダボにもマーキング

。。。どうせこの後の作業で線は溶けちゃうから 遠慮せずに大胆に。

で 今度はステムが適正位置に来るようにセットしたら ステムに記した線の位置に合わせて線を引く。

コレでダボを動かす終点が見つかった って事で



再びダボを装着して 吸い口が適正に水平になる位置を見つけて シャンクの線に合わせて線を引く. コレが終点になります.
要するに コレだけのズレが生じてるって事で 明確にマーキングで見直すと…なかなかしょっぱい現状ですが






ステムを取り外したら アルミダボをライターの炎で炙るんです。。。

自立式のライターだと作業が楽だけど ステムは炎の熱で溶けるから要注意

で 炙り続けるとアルミとステムを接着している接着剤が緩むんで 緩んだ頃合いを見計らって

ダボのマーキングが終点位置に来るまで捩じるんです。



ダボの先端を炎で炙る… 自立式のライターだと作業が楽になりますが 最悪100円ライターでも十分な炎が得られます.
ZIPPO だと炎の面積が大きすぎてステムを焦がすリスクが高まりそう… お勧めはガスライターです.






アルミニウムは熱伝導率が高いからパイプでも放熱性を期待して クールスモーキング用に

採用されるんだけど こうやって炙る時は先端だけを炙り続ければアルミが勝手に接着剤を緩めます。

炙る時は1点に集中して炙ると熱偏りで接着剤が緩みにくい&一気に熱が通ってステムを焦がしかねないから

ダボ側をゆっくり回転させて 満遍なく熱を行き渡らせる要領で。



パイプで使われているアルミニウムは剛性が弱いので 厚紙などを噛ませてプライヤーで押さえつけると 傷を付けません.
ステム側のマーキングの終点にダボのマーキングを合わせて あとは完全に冷やすんです. 水に漬けると 早く固まります.






で 時々プライヤーで回してみて接着剤が緩んだかどうか 確認しながら炙っては捩じる で

余り炙りすぎると接着剤が焦げて再固着しなくなる恐れがあるから こまめに炙っては捩じる で。

そして昔のアルミニウムは純度が高いだけに剛性は少々弱いから

厚紙などを噛ませてプライヤーで挟むと プライヤー傷が付きにくくなるんです。



ダボが冷えて接着剤が再固着したら嵌めてみて… 1発で適正位置に修正出来ました.
コレでめでたく アルミフィルター取っ払って喫えますね. なにせねじれの原因は…






はい 見事に定位置でピタッと留まるようになりました♪もちろん隙間なし♪♪

で 一説によるとアルミフィルターのせいで煙道内の空気の流れが乱れて

ジュースが発生しやすくなる って説もあるし モールを通せないから熱持ってるのに

強引に脱着するからこういうズレが生じる ってメカニズムも考慮して



ステムを取り付けて 今度はARメソッドですが エタノールがボウルまで回ってきたら詰めた脱脂綿から湯気が出てきます.
写真では分かり辛いけど 第1セットの第1回目の煮沸では 湯気が出るまで意外と時間が掛かります.






このパイプはフィルター取り外せるのを幸いに 俺はアルミフィルター取り外して使用です。

で。。。 ARメソッドで問題になるのが『いつまで煮沸してればいいんだよ?問題』で

それはあなた次第… っつったら身も蓋もない

個人的には ボウルのリムにエタノールが滲んだら止める を目安にしています。



湯気が出て来るとやがてボウルのリムが湿って来て 満遍なく湿ります… それが試験管を火から離して 気化したエタノールが
液体に還元するので ステムを下に傾けて試験管に戻す… コレを5回でワンセット で5回繰り返す と.






人によってはガンガン煮沸して バシバシ垂れ流してる って手段を取ってるってのもある

けど エタノールがもったいないんで 詰めた脱脂綿から湯気が出てきたら身構えて

リムが湿ったら煮沸を止める で結構上手く行くんです。

っつー事で Lovelyなパイプが2本 リフレッシュ完了しまして



っつー事で レストアとまでは言えないけどメンテナンスより突っ込んだ リフレッシュ で 充分美味しく喫えるパイプに
整いまして… BBB LIGHTWEIGHT はストレート・ヴァージニア用に CLARIDGE はGROUSEMOORE 専用機で 現在活躍中♪






Oメソッドでステムのヤニ取り&黒色再現で 完全復活 なんですね。

パイプの状態にもよるけど 上手くすれば… 売れるな

と 邪な事を考えますが 基本美味しく喫える状態になってりゃイイんです

俺しか咥えない奴なワケだし。



禁煙ファシストには こういう大人の楽しみがなくて 残念ですな。


 



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Posted by モッズおじさん  at 22:00 │Comments(0)大人の趣味 パイプタバコの話

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