2020年10月26日
A1167:久々のパイプ購入は Dunhill越えのヤーツ
どうも、モッズおじさんです。
俺の手持ちで一番クラシックなのが 1910年製 Barling’s でして… メーカーと葉組が大事なのはもちろんですが
パイプはパイプ本体が殊の外 喫味に多大な影響を与えるのを教えてくれた逸品なんです.
さて久々のパイプネタですが どうにもブレンドのインプレってのはパイプ版山岡さん
みたいな心持ちになっちって… 山岡さん知らない人は「美味しんぼ」で検索してみてね?
オマケに 狙ってたSasieni に64年 Dunhill に戦前BBBを立て続けに誰かに買われちゃって
。。。 お金が無い ってのも理由のひとつではあったんですが
例によって喫煙の話なんで
未成年者と禁煙ファシストとユーゲントは『続きを読む』はご遠慮ください。
ぶっちゃけ 日常で使用するパイプってのに事足りてる って余裕もあって
オマケに 喫味にそこそこ定評あるパイプが手元に揃ってる ってのが負の作用になってまして
推定1920~30年と思われる Ben Wade … 現在販売されているどのパイプより上質な煙を約束してくれる 人の欲望の部分を
完璧なまでに満たしてくれるパイプなんて この世にあったんだ… を強烈に示してくれるパイプなんですね.
うっかりしてるとパイプで家が埋もれるんじゃねえの な恐怖を懸念して 挙句 コロナ対策で
工房維持のためにケチケチモードに入って ってお家事情・懐事情も相まって
買わずにいたんですが。。。 いや根底には中途半端なパイプを揃えるより価値あるものをたまに買う
パイプの好みも結構輪郭が出来上がってきた年頃に差し掛かったんで 価値ある物に金掛けよう と
ハッキリ言って そこら辺で売ってる安パイプ FAIRWAY で シルエットに特別な執着でもない限り血眼になって追う必要は
無い程 中古パイプ市場に溢れてます が… 実はBBBのセカンドブランドで 思わぬどんでん返しが潜んでるパイプなんです.
久々に買って 届いたのが。。。 FAIRWAY っつーBBB のセカンドブランドっつわれてる奴で
ヤフオクでもメルカリでもe-bay でもゴロゴロ転がってる ぶっちゃけ安パイプでして。
早速話が違うじゃねえかよ なんですがダメ押しで FAIRWAY は既に1本 534 を持ってるっつー。
今回手に入れたのは602っつー 若干の形状違いで火皿サイズは全く同じで
本命はこちら… UKブライアーパイプ4巨匠のひとつ Charatan’s の STANDARD シリーズでも生産の多い看板商品的な
Lumberman でして… ゴッツゴツなサンドブラスト物が タダ者ではない感を醸し出してますが 実は
つくづく話が違うじゃねえか なんっすけど実はコレ オマケでして。。。それも
予想外にオマケにしては相当好成績な奴なんですが
主役はこちら Charatan’s SPECIAL 0104 Medium Lumberman なんっすね。
Charatan’s は1962~3年からDunhillに倣ってボウルサイズ番号から始まるモデルナンバーを採用するけど
流麗でセクシーな曲線が ひと捻り入れる Charatan’s の職人芸で コレが LANE era になると特注扱いで通常は2段サドルになる.
ホットスタンプは細字のCPで CがPと重なるのは LANE era 以前の特徴… 1963年以前のモデル確定です.
コレはそれ以前のナンバリング でLANE社に買収された後のCharatan’s は基本2段サドルビット
で 特注でテーパーや通常のサドルビットに変更されたものはモデルNo末尾に ‘X’ が付く
。。。以前購入して 現在 GROUSEMOORE 専用の 192X は まさに63年以降の LANE era モデル
だけど 今回の0104 はテーパーステムで おまけにステムのCPスタンプは細字でCがPに重なってる。
刻印を見ると… LANE社のスタンプは見当たらず モデルナンバーは0104…LANE以前の Rueben era に採用されていた形態で
まさに Charatan’s 全盛期のパイプ なんですね. 新品時にはDunhill の倍額で飛ぶように売れたのだとか.
で 1960~65年はRueben’sからLane への過渡期 transition だそうでいわゆる Family era は確定
っつー 今では希少な Rueben’s の可能性90%前後の 何気に嬉しいパイプなんですね。
なにせこの時代の Charatan’s はDunhillの倍額で取引されてた 金額的にKing of pipes だった
っつー事で 廉価版の STANDARD シリーズでも ムチャクチャええ奴 なんです。
Dunhill なんかでもそうだけど 50年代までのサンドブラスト処理はやたら彫りが深く 本来の冷却効果を遺憾なく発揮できた
特にCharatan’s 創業者の系統の直営時代 普及版モデルと言えど一切手を抜かず いい仕事してます.
それも Lumberman は一般には Canadian と呼ばれるシェイプで Charatan’s発祥の奴で
サンドブラストも60年代初期までの特徴… ゴリッゴリに深掘りなメリハリ出しまくりの奴
で 現在Dunhill傘下で 同じDunhill傘下の Butz-Choquin が生産してる って背景から
ちょっとした誤解が生じて 日本の中古市場ではびっくりする位値崩れしてる と
一般的には Canadian と呼ばれるシェイプは この Charatan’s Lumberman がオリジナル・発祥 なんです. ダボの処理も完璧で
全くもって非の打ち所がない 美しすぎるパイプで ちょっとした誤解から中古市場での価格も手頃なんです.
もうパーフェクトな位に理想的なエステート・パイプなんです。
今回も6000円で手に入っちゃったわけですよ FAIRWAY のオマケ付で。
で Charatan’s もオイルキュアードと思ってたんっすけど 最近Charatan’sの資料が充実してきて
ブライアーを蒸す スチームキュアリング がLane期までの特徴なんだってね。
とりあえず2本ともDAメソッドを施し Charatan’s はステムを Oメソッドでメンテナンスを掛けまして… 前オーナーは
相当大事に使っていた個体のようで アルコールを丸1日掛けて飛ばして もう使える状態になっちゃった.
えーオイルキュアリングじゃねえの? とちょっと前なら引いてたけど
Barling’s で自然乾燥の底力を知ってしまった今では むしろウェルカム状態でして。
っつー事で早速DAメソッドと Oメソッドで軽いメンテを掛けまして
Dunhill で言うGROUP 3~4 程度の火皿に詰め込んでみたのは
火皿はGROUP 3 よりチョイデカい程度なので ラタキア詰めると少々物足りない もっと喫いたいなぁ… となるのは明白
なので ヴァージニアのFLAKEを詰めます. 幸い大事に使われた個体でカーボンは良識の範囲内で 掃除はすこぶる楽 でした.
Robert MacConnell の BLACK FLAKE … 今回が初見参の Dunhill DARK FLAKE のコピーを
1枚… だとちょっと少ないんで+1/4 で着火しますと… BLACK FLAKE のインプレは
後日改めてお話するとして なんと! Barling’s と同じ香りが オイニーが。。。
コレは ひょっとして… コレが コレこそが アルジェリアン・ブライアーの芳香って奴か???
本当は別のパイプに詰めてみよう と買ってみた BLACK FLAKE ですが Charatan’s に詰めてみました. BLACK FLAKE の
インプレは後日お話するとして… 一発で好きになりました このパイプ.
そして Barling’s に負けず劣らずのストレートな喫味 Dunhillを超えてくるエアコントロール性能
。。。 こりゃあDunhillなんぞ青二才 と鼻で笑うUKパイプ4名門の底力 だわさ。
なるほどコレならDunhillの倍額でも飛ぶように売れるわさ。。。
と 本命のCharatan’s Family era って事で テンション上がりまくりなんですが
FAIRWAY は長年 BBB のセカンドブランドとして販売されてきたので BBB に準じた歴史を辿っていて 使用木材も当然同じ
って事で 生産年によっては大当たりする可能性も大 ですが如何せん資料が劇的に少ない… 運がモノを言います.
実は FAIRWAY が とんだダークホースだったんです。。。 なにせ Barling’s とこの Charatan’s と
同じ香りが オイニーが。。。 まさか! コレもアルジェリアン・ブライアーだったの???
真偽は資料が劇的に少ないんで謎 ですが可能性は大いにある… なにせ昔は一般的なパイプ木材だったから
BBB のラインで弾かれたセカンドブランドとすれば 至極自然な流れではある。。。
アルジェリアン・ブライアーには悲しい歴史があるんですが この喫味がアルジェリアン・ブライアーなら1965年以前の
パイプは決定的. 木目の染料が想定以上に沁み込んだ部分が数か所あるだけでセカンドに回された個体の模様…
FAIRWAY には Robert McConnell SHAKESPEARE を詰めたんですが なかなか好成績で
さすがに Barling’s や Charatan’s 比較はハードル高すぎるけど イイ感じで追尾している
ブレスコントロールも良好 作りも良好で 驚いた事にパテ埋めの類は見つからない っつー。。。
ズバリ 久々のパイプ購入は良い買い物でした とさ めでたし めでたし。
禁煙ファシストには こういう大人の楽しみがなくて 残念ですな。