2020年04月27日

A1099:MY MIXTURE 965 は 別格です



どうも、モッズおじさんです。


多分アイルランドのたばこ税の関係なんでしょうが イギリス時代より確実に高くなった MY MIXTURE 965 はおいそれと
買えない値段になったような… それだけに常喫の一歩手前の『常備』の座が決定ですが 何故コレはこんな旨いんだ?






さて気が付くと Dunhillの MY MIXTURE 965 は1.800円 とSamuel Gawith 並の値段だった

けど Peterson になったら いろんな大人の事情で 2.400円 と

Rattray BLACK MALLORY より50円高くなってた っつー。。。

それでも 買っちゃったんっすね 癖になったっつー。。。



例によって喫煙の話なんで
        未成年者と禁煙ファシストとユーゲントは『続きを読む』はご遠慮ください。



 



似た葉組はいろんなメーカーがバルカンブレンド オリエントブレンド っつってバンバン出してる

実際 Dunhill (Petersonが後継) の EARLY MORINING も葉組はほぼ同じ だけど



キャベンディッシュというと真っ先に思い出すのが真っ黒に仕上げられたブラックキャベンディッシュで EUで完成した
とっても甘い とってもメロウ とっても『お菓子』な とってもヒュッゲなタバコ葉ですが…






他と決定的に違うのは MY MIXTURE 965 にはキャベンディッシュが加えられてるんです。

で。。。 俺知らなかったよキャベンディッシュってEUのバニラ味の奴だけだと思ってたけど

むしろ USやEU のキャベンディッシュは『応用編』『進化形』で 元祖は圧縮ヴァージニア葉なんだってね。

コレが前に記事で触れたポカホンタスの時代に遡りまして。。。



タバコ葉の最初の乾燥熟成製法は ツイストとかロープと呼ばれる葉っぱを葉っぱで包んだら捻じって天日で乾燥させて
結果 ウ〇コみたいになったのを刃物で喫う分だけカットして解して… 全てはココから始まったんです.






ジョン・スミスことジョン・ロルフが作った広大なヴァージニア葉プランテーションから

ブリテン島に船で運搬して商売繁盛 だった頃に船員達はイギリスの港を出る時

船でタバコが尽きたらタバコ喫えなくなっちゃう で大量に買い込んで少しでも多く持ち込もうと

縄でぐるぐる巻きにギュッ! と縛って 手荷物と一緒に船に持ち込んでたんだそうな。



今でこそ船員さんっつったらマドロスパイプ咥えた優しい紳士 的なイメージもありますが 18世紀19世紀位だとむしろ
カリブの海賊的な 男臭ムンムンのギットギトな世界だったワケで… 海賊王に 俺はなる!






。。。タバコ葉運んでんだから 積荷を喫っちゃえばいいじゃん っつーコソ泥根性思いつく人も

いるでしょうが まず熟成させてないヴァージニア葉は青臭いだけ それに積荷に手を出したら

バレ次第問答無用で大西洋に突き落とされちゃう… そういう荒くれどもが闊歩してた時代だからね?

で 自分の金で買って持ち込んだタバコを喫ってた船員が ある時気付いたんっすよ。。。



今でもヨーロッパのプライベート系タバコメーカーではツイストをロープで縛って熟成~販売を行ってる所があるそうで.
かつて船員達はこうやって自分の荷物に詰め込めるだけ詰め込んで大西洋に繰り出したのだとか. ロマンですね.






「縄で潰れたトコ 喫うと旨くね?」

普通の所より潰れた所は 本当に遥かに甘くなってまろやかになっている… コレは大発見!

で 船主のキャベンディッシュ卿がヴァージニア葉を蒸して熱を加えてから型に入れて

圧縮したのが キャベンディッシュ の誕生… となっているんです。



プレスする前に鳥の蒸し焼き宜しく蒸気で蒸すと細胞が広がってまろやかに仕上がる… で従来の製法より数段美味しい
新しい喫味が誕生した それが英国伝統の無着香キャベンディッシュなんです.






もっともキャベンディッシュ卿が本当に考案した製法か は眉唾物で 考案した誰かから

アイデア一切合切を買ったのかパクったのか… そこは歴史の闇に消えてますがとにかく

キャベンディッシュのお陰でヴァージニア葉は数段美味しいタバコになったワケですよ。

ああありがてえありがてえ…



均等に圧が掛かるように硬木の型枠に入れてから熱処理したヴァージニア葉をプレスする 英国伝統のケーキ(CAKE) が誕生.
そこにヴァージニアの味を引き立たせるラタキアやペリクやオリエントをブレンドする と進化していきまして






ところで熱を加えて型に入れて圧縮機に掛けて… の一連の流れは完成品からCAKE と呼ばれる

けど Samuel Gawith をはじめとした数多のタバコメーカーでは 蒸さずにストーブ つまり炒ってる。

FULL VIRGINIA FLAKE 等はその典型で 喫味にエッジが立ってる 少々どぎつい甘味ですが

キャベンディッシュだと 角が取れた濃厚な甘味 ってのが俺の感想でして。



鉄板焼きのデメリットは うっかりすると焦がしてしまう事. メリットは経験を積めば火の通し加減をコントロールして
レア-ミディアム-ウェルダン と 味を変える事が出来る… 着香を禁じられたUKだからこそ発展した職人芸なんです.






多分蒸すと葉っぱの細胞が程良く解けて気泡が出来て 程良く細胞隔壁が解けて甘味が溶け出す

けどストーブ つまり鉄板で炒ると逆に細胞隔壁が引き締まって細胞内で甘味が凝縮されんじゃねえかな

トウモロコシでも蒸した奴と焼いた奴では似たような傾向が 出るからね?

多分設備投資の都合で Dunhill はキャベンディッシュ作れたけど他の会社では… だと思うんっすよ。



そもそもUKでは粗悪なタバコ葉を誤魔化せるから と国が着香タバコを禁止したんです. それもこれもタバコ葉にランクを付けて
ランク別に税金を定めていたからで 正しくガッポリ税徴収する 実に英国的な原則が背景にあったんです.






なにせ『蒸す』となると専用の窯が必要だし 釜に入れる水だってバカにならないし

釜の中の網だって取り出しやすく入れやすい 大量に置ける奴じゃないと だけど

『炒る』なら最悪 でっかい鉄板が1枚あれば仕事が出来ちゃうからね?

零細企業ファミリービジネスのSamuel Gawith みたいな所では当然 釜より鉄板のほうが用意しやすい。



アイルランドでは嫌煙運動の兼ね合いで 死人すら雑巾のように絞って最後の血の1滴まで搾り取る と揶揄されるUKよりも
えげつない税率のたばこ税を掛けてて定価が跳ね上がったみたいだけど それでも俺コレ喫いたい…


A1099:MY MIXTURE 965 は 別格です



っつー事で UK伝統の圧縮キャベンディッシュをようやく MY MIXTURE 965 で体験出来て

すっかり気に入っちゃいました

いやマジで ココまで上品な喫味が1.800円で楽しめたなら そりゃあゴキゲンだったろうけど

この喫味なら 2.400円払っても惜しくない



EUキャベンディッシュは Amphora や BLUE NOTE や BLACK VANILLA 等で死ぬほど経験済み だけど… ヒュッゲなタバコを
辞める気ナシ どころか新たに USキャベンディッシュも取寄せてみちゃったりしてるんですね.






UK伝統の圧縮キャベンディッシュを経験したら もうUS/EU の着香キャベンディッシュは

喫えなくなっちゃうね。。。 とかナントカ 言うと思ったでしょ?

さにあらず

キャベンディッシュを通して タバコとパイプと喫煙の時間を 改めて考えさせられたんですよ。



蒸して細胞を広げてプレスするキャベンディッシュ製法は USとEU でアレンジが加えられて それぞれの国の文化で
独自の進化を遂げまして… お陰様でいろんな付き合い方に合わせる奥深いバリエーションが楽しめるワケで.






実は 軽薄にしか思えないほど奥行きの無いUSタバコも お菓子ワールド全開のEUタバコも

パイプとの組み合わせや 喫煙のロケーションとか 突き詰めてくと 結構楽しい。

コレがUKのティータイム デンマークのヒュッゲ USだとさしずめフットボール観る時間 と

特に昨今 大人に求められてる事にも繋がって来る奴だったりするワケでして。。。



禁煙ファシストには こういう大人の楽しみがなくて 残念ですな。


 



同じカテゴリー(大人の趣味 パイプタバコの話)の記事

Posted by モッズおじさん  at 01:16 │Comments(0)大人の趣味 パイプタバコの話

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。