2020年04月05日
A1086:買うばかりがパイプの愉しみじゃ ない
どうも、モッズおじさんです。
入手時に最も状態が悪かった Dunhill 41091 は あれからこまめにワックス掛けて 磨き入れて で手を掛けて
ココまで威厳を取り戻しました. パイプは パイプを手に入れる事自体も手入れも『趣味』になるワケでして…
さて普通のタバコと違って葉巻とパイプは『趣味』の領域にガッツリ入る奴でして
これイイな あ コレもイイ… っつってパイプを2本3本… と気が付くとわんさか増えている。
パイプの場合パイプ自体がコレクション価値が高いんっすけど
今回はもっと日常使いで直面する問題までも趣味になる って話でして
例によって喫煙の話なんで
未成年者と禁煙ファシストとユーゲントは『続きを読む』はご遠慮ください。
現在44本のパイプが手元にある俺なんっすけど 呆れた事にほぼ全部使い回してる っつー
使い続けてると当然 消耗 して来るワケでして
事実上「3本で2.500円」で入手したうちの1本 Orlik STRAIGHT GRAIN は前オーナーが喫い倒してた個体らしく
ステムの噛み跡が ぶっちゃけ食いちぎる直前でして… 俺は奥歯で噛むからいっか でやり過ごしてたんだけど
特に俺みたいな 中古パイプを好んで買って使ってると 前オーナーの愛着が深かったら
深い程 破損のリスクが伴うワケでして…
去年 Peterson SYSTEM PREMIER 303 のオマケで付いてきた2本のパイプの1本
Orlik のパイプはよほど愛着があったようで 元々ステムの吸口は噛み跡が深く刻まれてまして
現在は Post Cadogan 期の GBD とローテーションで Peterson SHERLOCK HOLMES 専用機として絶賛稼動中…
バーレーが少々入ってるけど 3種のヴァージニアを楽しむには丁度良い 小振りなサイズがジャストサイズ で使ってるんだけど
確かに DunhillのGroup 1 程度の小振りな火皿で 前オーナーの方はおそらく
HALF & HALF を詰めてたと思われますが USタバコだと1hで喫い切る丁度良いサイズ
って事で 俺は SHERLOCK HOLMES 詰めて喫ってるんっすけど 使い古しのモール刺した瞬間
噛み跡を基点にパックリ割れちゃいまして。。。
喫いやすい 愛着のあるパイプほどこういうリスクが付き物で 何気に使い古してカーボンで太ったモールを刺したら
パックリ割れちゃいまして… ぶっちゃけ 泣くに泣けない悔しい奴.
元々 Orlik のパイプは庶民派だけど高品質 っつー実力派で 中古で買うと上手くすれば
1.000円ほどで手に入る嬉しいパイプ っつー事でポイしても惜しくない
筈なんだけど… 良いパイプってのは愛着の問題で 値段じゃない。
っつー事で 捨てずに補修 は決定ですが
欠けた破片はしばらく手元に残っていたので接着剤で貼り付けてたんっすけど ヒョイとした拍子にどこかに飛んでっちゃって
まさかの紛失… ますますもって マキシマムなピーンチ…
割れた個所を補修するんで接着剤を付けて… ってやってたらどこかに飛んで
無くなっちゃったんっすね… マキシマムな ピーンチ。。。
それでも捨てずに補修 で取寄せたのが『プラリペアキット』の黒でして。
このリペアキットは以前から強力頑丈でお手軽な奴で有名だったんっすけど
銀葉とかの詰め物で使われるセメント剤と同じもので 身体には無害な奴です. コレはいわゆるお試しキットですが
パイプのレストアだったらこの量で充分. クルマのレストアも見据えての購入です.
それもそのはず 歯医者さんで詰め物をする時使用する接着剤で 銀歯詰めるとしばらくは
酸っぱいようなクッセエ臭いする奴 あるでしょ?… アレです。
まんま歯医者さんのクッセエ奴なんで 口に咥えても毒素ゼロ っつー事で
今回の使用用途には理想的な奴なんですよ。
接着やパテ埋めする際の基本はパイプのレストアでも一緒で 接着面は出来る限り脱脂して 接着面積を大きくするのが大事.
400番までのサンドペーパーで表面積を凸凹にして 接着面積を強引にでも広げると より強力に接着するんです.
まずは下準備… 欠けた個所は斜めに削って接着面積を稼ぎつつ 400番程度のサンドペーパーで
接着面を削って 少しでも接着面積を増やす=強度を増す を施します。
そして削りカス除去と脱脂のために 消毒用エタノールで拭き取り洗浄…
このご時世 希少品となってしまってるエタノールですが 口をつける所なので
こんなご時世だと使うのが心苦しんですが コロナ以前の誰も見向きもしなかった頃に買った奴なんで ご容赦頂きたい…
口をつける個所なので 自動車整備用脱脂剤とか 使えないんっすよ.
なかなか代用品が無いのが実情でして… 深刻な事情が背景なので 代用品は捜索継続って事で。
工房在庫の開封済みエタノールで洗浄したら 今度はマスキングテープを45度に折って
口に合わせながら厚みを合わせて折りたたんでいきまして。。。
こういう事は さすが二俣川の折紙おじさん チャッチャと出来ちゃうんですね♪
マスキングテープを写真の通り 45度で折って二等辺三角形を何度も重ね折りして ステムの口に合わせた厚みにします.
厚さが合ったら 指先に擦り付けた程度の椿油を塗って ステムの口に差し込み固定して 準備完了です.
厚さと形が合ったら 型紙の完成で 表面に薄く植物油を塗ります。
やっぱり「口に入れるモノだから」で 下手にグリースとか使えない
で POLANO 得意の『椿油』をうっすら塗っとく… コレで充分なんっすね。
と。。。 コレで下準備は完了です。
ココから先は時間との勝負 っつー事で写真は撮れてませんが まずは付属のスポイトで付属の容器に混合用リキッドを
少し多めに入れて 専用のニードルを装填 で付属のパウダーにリキッドを1滴 垂らすんですね.
ココからは割と展開が早い… 取扱説明書に従って専用リキッドを小出ししてニードルを装着
したら パウダーにリキッドを1滴垂らす ですぐにニードルで摘まみ上げて
補修箇所に乗せて 更にリキッドをチョイ流す。。。 なんっすけど
ニードルから外そうとすると自動で容器持ってる指に力が掛かって チョイ漏れちゃうから
販売サイトの取説より… ニードルで1滴 パウダーに落としたら補修箇所に乗せて 更にリキッドを垂らして湿らせる
と 途端に硬化が始まるので写真撮ってる暇がない… 結果が早くて 嬉しいけどね?
この程度の補修面だと リキッド2垂らし分で充分でした。
で 25℃で5分硬化っつー速乾性なんで 盛り付けたらすぐ指で大まかに型を整える事が出来ちゃう
非常に手早くて とっても便利 だけど…
部屋は例の 歯医者さんの臭い で満たされます。
大袈裟でもなんでもなくて 金属用のヤスリで大雑把に成型して 目出しヤスリ~400番までのサンドペーパーで追い込んで
シコシコと成型していきます. …
指やヘラなどで大まかに造形しておいたほうがこの後の作業は段違いに楽になります。
っつー事で 30分置いたらカッチカチになったんで 金属用ヤスリで大まかに成型して
からの 400番までのサンドペーパーで徐々に形を完成させて
埋めた場所と本体の段差を均していきます。
リペア剤とステム本体の境界線は 熱で炙ってから研磨すると分からなくなりますが 個人使用なんで敢えてそこまでは
やりません… それでもココまで修復出来れば 充分及第点でしょ.
最終的には断面に沿って熱を加えて溶かしてから砥ぐと段差は完全に消えるんだよね
こう言う奴だとハンダゴテを当てずに寸止めで炙ってなぞれば盛り上がって段差が消えて
整形研ぎ入れを行えば完璧 だけど個人的に使う事前提なんでここではそこまでは って事で磨きを入れまして。。。
完成です♪
もちろん破片が残っていればもっと楽に作業が済んだんですが 紛失したから復元作業になっちゃいましたが 結構手軽に
出来ちゃいましたね. 若干黒の色味が違いますが コレは使ってるうちに馴染んできそうです.
最初の1本にしては上出来だと思う… なにせ Orlik のパイプはステムが驚くほど薄い
薄いから噛み心地の違和感はミニマム なんだけど薄いだけに噛み跡がつくと…
っつー事で 補修用の接着剤/パテ は強靭であればあるほど嬉しいし 見た目の違和感も少ないほうが良い。
で 歯医者さんの詰め物用の奴だからね? 毒性の心配もないし口に入れられる温度なら耐熱性も合格。
Orlik パイプのステムは薄くて咥えやすいのが特徴 なだけに初めての復元作業の素材としてはハードル高い奴だったけど
結構手軽にレストア出来ちゃいました. コレでこのパイプへの愛着は 5割り増し って事で…
ただ歯医者さんの奴だから「今夜は固いものは食べないで下さいねえ」と
歯医者さんの意見と一緒で 完全固着はひと晩掛かります。
っつー事で コレでお気に入りのパイプで美味しく喫えるようになりましたとさ
Vape や iQOS や電子タバコの類じゃ こうはいかない ね!
禁煙ファシストには こういう大人の楽しみがなくて 残念ですな。