2014年11月27日
065:ブランク6角の理由
どうも、モッズおじさんです。
漆グリップは荒削り完了 少々アメリカンなシガーグリップなのでもうチョイ英国寄りに改善しますわ
っつー事で漆グリップの試作機、大体形が整って荒削りまでの工程を終えました。
で、ココまでやって本編はまさかのデザイン変更っつー。。。
そのブランクなんっすけど、時にグラファイトロッドの優位性を滔々と述べたがる奴がやって来るんっすよ。
じゃあなんで6角バンブーなんだっつー話をするんっすけど
例によって主観に偏り過ぎた偏屈な話なんで、耐えられる人だけ『続きを読む』に続いてください。
で、大体そういう講釈大声で垂れたがる奴って、ほぼLURE MAGAGINE とかの釣り雑誌の受け売りで
小学校の頃の『ドリフ見た?』的な答え合わせをして連帯感再確認したいだけ、っつー。。。
それも微妙に間違ってたりして
知ってるよを披露する大会自体は否定しないんっすよ?
ウチの工房でも優位性は認めてるから、ソリッドグラスのロッドを作るんっすけどね?
釣りの腕が上昇気流に乗ってる時って、誰でもそういう時期が来るんっすよ。
で、肝心のグラファイトの優位性っすけど。。。そんなの当たり前だよ。
大量生産出来て軽量でF1や人工衛星の使用にも耐えられる素材使って
輪切りにしたら真円に最も近い形にできるんだから。
様々なデータ取り用の1927年製Hardy the ‘WYE’ まず拝めるモンじゃないんで普段は見てください用
実はイギリスっつー国には竹は自生してないんっすよ、北にありすぎるから生育に適してないんっすね。
だけど一時期は世界の2/3を敵に回してた超大国で、植民地からトンキンケーンを大量に取り寄せてた
けどケーンってのは竹っぽいけど実はアシの仲間で、南方の植物らしいバカみたいに大きく育つ奴
なんで量産が効く最も真円に近い6角形の竿を作るようになった、っつーワケ。
相手がデカくなればなるほどブランク反発力の‘差’がラインブレイクのリスクを高めるっつー。。。写真古くてスイマセン
中国を植民地化する前はオークとかの木材を6角形に貼り合わせたんだけどね?
で、釣竿目線で見ると角があるとそこだけ急に密度が濃くなるから跳ね返りが強くなる、
つまりサカナに急に横っ走りされたらロッドのテンションが強くなっちゃってラインブレイク。。。
って事になるんっすよ。
the ‘WYE’ の角も、しっかり削ぎ落とされてます 日本は恵まれた釣り先進国なんっすよ?
かつてはこの角を大変嫌う時期があって、ウチの工房にもある1940年代以前のバンブーロッドのブランクは
真円に近くなるように削って全部角を落としてあるんっすよ。
でも1970年代にシェークスピアのワンダーロッドが世界初のグラスロッドを発表して以来
バンブーロッドの角は落とされなくなったんっすよ。
コレはアメリカの推定1940年製のバスロッド やっぱり角は削ぎ落とされてます 安物なだけに、雑だけど
それは何故か。。。角でテンションが変わる、反発力が変わる、ってのを常に計算に入れてやり取りすると
釣りが難しくなる。。。難しくなって楽しいと思えるのは。。。それなりに行っちゃった人っすよね?
バスで言えば60UP釣って、シーバスで言えばメーター越え釣って目標達成しちゃった、的な
その後アベレージ釣っても以前みたいに嬉しくなくなっちゃった、っつー
5lbラインでライギョ釣って、まだ物足んないっつってんのも、どうかしてるでしょ?
芥川龍之介の『芋粥』的な心境っすね。
そうなるとラインをもっと細くする、とかタックルをもっと難しいモノにする、って方向に走っちゃうんっすよ。
そこまで行っちゃった人にとって、釣り人絶対有利は退屈な奴でしかないからね?
敢えて釣り人不利にして自分に圧を掛けて釣れたサカナってのはまさに『釣った』と言えるからね?
ウチの工房のバンブーロッドは、角は絶対に落としません
ほぼ精神修業・武士道っすね。
前にも触れた通り、そこまで行っちゃった人じゃない人には絶対的有利な竿が必要になるんっすよ。
で、人によっては最初からそういう高いハードルを課して上達しようって入門すんのも出てきて。。。
遊びって、そうやって極めていくモンなんっすよ。
そう言えば、バスやシーバスにはそういう極め用の竿って、ないよね?
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