2020年01月04日
A1041:コレも愉しみのひとつ と捉えて下さい
どうも、モッズおじさんです。
正月は豊洲から取り寄せたお節料理に 比内のおやっさんから貰ったハタハタのヒレ酒 それに Cohiba のシガリロで
なんと贅沢なひと時でしょう… ところが贅沢は コレで留まらず
今日は正月3日なので19:00迄フレキシブルに来店対応して 明日は未定です。
さて正月も3日目ともなると帰省ラッシュの復路が最高潮になりまして
元々門松ひとつ立てられないバチアタリな毛馬内では 過疎地ってのも加味されまして
夜には通常に戻っちゃうんですが
マカロニ様の the ‘Mk. 1’ は週明けに作業を再開します… POLANO が漆塗りを採用したのは付加価値での高級化と思ってる人も
多いみたいですが むしろ基本性能で欠かせないから採用してます って話でして.
POLANO では意識して寝正月 だったんっすけどどうにも貧乏性で… 仕事の話しちゃうっつー。
去年皆様に告知しておくべき事を記事に上げるのを後回しにしてまして
… いや鮎師のマカロニさんの話を聞いて ああこれも広く知っておいてもらったほうがイイな
と思っていたのに なかなか上げる機会がなかった話なんですが
the ‘Mk. 1’ に至っては表面が炭化するまでフレーミング処理を行って さらにオーブンでも長めに焼き入れを入れて
反発力を増すとともに 狂いを矯正して出荷してるんですね.
一応 POLANO では反りや捻じれが生じないように若干強めの焼き入れを行って 漆を
それも安いクッセエ中国産ではなく日本産 それも浄法寺産漆に限定して塗布して
狂いの出ないように作製してから出荷してるんですが それでも反ったりします。
なにせ天然のケーンや竹を使用しているので 成長で付いた癖の位置に戻ろうとするんですね。
竿になってから一番狂いが発生しやすいのは 成長の過程で狂いの元凶となっている『節』の部分から なんですね.
POLANO では節曲がりを矯正するだけじゃなく 潰して強度も増していますが それでも徐々に戻ろうとする力が働きまして…
コレは炙って繊維が一時的に緩くなったらサッ… と直していくんですが慣れてくれば
所有者様がご自身でメンテナンスできる工程なんですよ。
で コレがメンドクセエ でやらないで POLANO にも持ち込まないでずーっと放置してるのと
少なくとも年1回 メンテナンスするのとではどう違ってくるかっつったら
革靴やパイプのように 或いはフィルムカメラやヴィンテージカーのように 最後はユーザーの方がおのおのの手で仕上げるのが
この手の竿の魅力で… 癖を排除していくのではなく 慣らすように矯正していくのがコツ なんです.
成長で付いた癖は再度同じ所が出るんだけど メンテを掛けるたびに徐々に癖が緩やかになって
やがて癖が出なくなる 1本のピシッと真っ直ぐに伸びた竿に仕上がるんっすよ。
当然放置していると曲がった竿は曲がったまま… なので 出来る事なら年に1回は
POLANO に持ち込みメンテを掛けてもらいたいんですね 喩え使わなかったとしても。
竹竿オーナーの皆様は「空気吸う」位の基本動作になってるんで うっかりこちらも説明する事忘れちゃうんだけど
反りは手を掛けて徐々に馴染ませて… ってのを初心者向け6角竿を作ってる手前 言わないとダメな奴でしたね.
っつー話は 俺なんかは「竹竿持ちたがる人の間では既に知ってる話」と思って
敢えて触れなかったんだけど マカロニ様が家宝級の鮎和竿を見せてくれた時に
こんな話をしまして… あ そうだ ウチのお客さんは『初めての竹竿』率高いんだった
と 告知しとかねえといけねえな と思った次第なんっすよええ。
塗装によっては炙ると溶け出したり引火したりしますが 日本産漆はウルシオール純度が高いせいなのか耐熱性に優れています.
それだけに 初心者でも熱で炙って矯正する作業を体得しやすい… で浄法寺産漆のフィニッシュ なんっすね.
ケーンや竹は生き物 なので矯正は早ければ10年 長い奴はン10年掛かりますが
徐々に癖がマイルドになって真っ直ぐな竿に『仕上がり』ますので
是非とも矯正は行って下さい。。。 POLANO の竿に限り 持ち込み若しくは配送頂けたら
無料で矯正は 行っています(配送の場合は往復の送料はご負担ください)。
実は多少曲がってても反ってても キャストではまっすぐ飛ぶように出来てるので神経質になる事も無いのかもしれませんが
出来れば最低年1回 POLANO で定期的に反りや捻じれを矯正したほうが POLANOの竹竿は気持ちの良い仕上がりになるんです.
もっとも御自分でも矯正できるように 炙っても大丈夫 な本物の浄法寺産漆を採用してるんだけどね?
なにせ熱や炎に強い本物の漆は 炙った所でビクともしないっすから。
ただし 同じスポットを長時間しつこく炙ったり炎に突っ込んだりすれば
確実に焦げるけどね?
反った竿でもまっすぐ飛ぶので 矯正は強制ではありません 念のため。