2021年11月19日

A1275:思い出はたいてい傷だらけ



どうも、モッズおじさんです。


ウチのお袋も88歳の『米寿』を迎えまして 阿笠博士史上最もくだらない駄洒落クイズを思い出した… 88歳は『米寿』
では44歳は何と言うか 分かるかのぉ…






11/1から コロナ再拡大予防対策 でショールームは

フリーのお客様は13:00~18:00 で入店を受付けて
事前予約のお客様は10:00~19:00の間で受け付けて
月曜日と火曜日は引き続き 休日


とさせて頂きます。

もちろんマスクと手消毒も 相変わらず継続してお願いいたします。
尚 マスクと手消毒を拒否される方は入店を拒否させて頂きます。



88は米 米はライス 88の半分だから44歳は「半ライス… ♪半ライス~ 3回よそえばサンライズ~♪なんちゃって」
まぁまぁ園子とシェリーを間違えるジンも含めて『天国へのカウントダウン』はポンコツ総出演の大会でしたが.






始終お久しぶりの更新ですが ひと言で言えばズバリ 老人介護で時間取られまして。

そろそろ皆さん察してもらいたいって気持ちがあるんですが お陰様で仕事もクルマも後回し と

愚痴を言ったらキリがないけど… そんなウチのお袋も88歳 米寿を迎えまして

なお お袋のカバンにはまだ若干の余裕がございます こん平でーす!!!!!



いや… Take 5 ほどのどメジャーなJAZZとか 水道捻ったら水出るよね 位に当たり前に聞こえてくるのが当たり前と
思ってたけど… 貧乏を恥じる必要は無いけど 貧乏こじらせて魂の栄養補給を怠っては人生に負けますよ?






で 思ったのが… 我が家に足りないもの。。。 そういえば音楽が足りないな

と。。。 思えば横浜時代は音楽に溢れてて いや あって当たり前なモノだったけど

前沢に越したら音楽が全くない環境… それはここ鹿角でも同様で

なんと潤いの無い連中!!! と心底失望したワケですが



フォーク世代ニューミュージック世代の皆様お待たせしました 当時のギター入門者向けの定番 MORRIS W-20です.
いや頑張れば Gibson DOVE 位買えるだろうけど このギター クルマで言えばAE-86のような存在でして.


A1275:思い出はたいてい傷だらけ



これではイカン 芸術は魂の栄養ですぞ って事でつらつらと中古市場を見て

どうにもこうにも欲しくなったので… ヤフオクで落札してみました

MORRIS W-20 っつー Martin D-28 のコピーで一世を風靡した

ボディは骨組み以外合板の 70年代80年代のギター入門機の定番モデルです。



初心者向けギターの宿命・扱い分かんない奴が無茶をする で あっちこっちにぶつけて磨くのも下手 挙句テーブルに使ったり
で ワケ分かんねえ汚れやシミが… それでも夢だけはたっぷり注がれる って典型の キッタネエ個体です.






そこのおじさんおじいちゃん 懐かしくて目頭熱くなったでしょ?

とっつぁんの涙腺崩壊する前に言っておきますが 安かった分ボロボロです

ボディトップのシダー合板には結構深めの打刻跡があって 全体にやたらと埃が吸着しまくって

カタログ上サイドとバックはローズウッド合板なのに 俺にはマホガニー合板に見えてならないっつー。



10代の頃は夢多く世間知らずで自分は最高スーパースター自分イエイ! で20代になると世の中もっとスゴい奴が
ごまんといるのに気づかされ いつしか夢も萎んでいく… ギターにはあのころの夢が刻まれて ボロッボロ と.






挙句 トップの塗装は当時のMORRISポリウレタン塗装でありがちな 水分や汗を吸うと

白濁化する例の奴が。。。特にこの W-20 はギター入門機で いろんな人の熱い思いや夢や欲望を

たっぷり吸い込んで現在に至る と。。。 ボロッボロになる っつー。。。。。。

今思い返すと恥ずかしくなるようなあなたの青く若々しい夢も もうボロッボロです。



MORRIS はふたつの工房と契約して職人のサイン風スタンプでどこの工房製かが判読できるんですが A.Kubohata名義は
残念ながら当方の資料では判明しませんでした. おそらく1975年以降の個体ではないか と.






さらに このギターは1970~1980年中期位迄の40~50年前の代物で Wシリーズと

Fシリーズが存在したけど 今だと0(オー)サイズと呼ぶボディシェイプをフォーク

今だと 弩級艦を意味する Dreadnought シェイプをウェスタンと呼んだ

学生運動と東大安田講堂立て籠もり事件の臭いがプンップンしてくるネーミングセンスの時代が滲んでまして。



Wはウエスタンの頭文字で 数字に100を掛ければ新品当時の販売価格 と とっても分かりやすいモデル表記ってのが
当時の国産アコギのセオリーで それでも俺なんか中学高校時代は夢のギターで 買えなかった なぁ…






今じゃあ学生運動の矛先だった大学運営側の銭ゲバぶりが露見しちゃって日大OBとしては

苦笑い ですがそれはさておき じゃあなんでこんな無残な『思い出の残骸』を購入したか っつーと

。。。「この MORRIS W-20 はね… 化けるよ?」

と ギターのリペアマンの間では割と有名なモデルだったりするんです。



AE-86も大衆車カローラのクーペ/ハッチバック版で そのまんまだとバカ車 だけどチョイとパーツを交換すれば天才に化ける
土台が優秀だとギターでもモロ化けする っつーんで居ても立ってもいらんなくなりまして.






トップもサイドもバックも ボディはもれなく合板 だけど楽器として驚異的な精度の高さで

当時の国産ギターは面白いんです。。。この MORRIS W-20 に限って言っても

・ネックの反り補正 ・ナットとサドルの交換 ・余裕があればペグの交換 で

まさかの Martin D-28 超え までは行かないまでも往年の D-28 に肉薄する劇鳴りギターに変貌するっつー



大学時代に蚤の市に出店してた業者さんを手伝う事がありまして… 周囲に同年代で木材加工の凄い奴 とか技術持ってる奴らに
触発されて教わって しまいにゃ弦高調整とかできるようになってた って経験がありまして






マジで!ああ手放すんじゃなかったあ!!。。。と嘆いてる人 多いんじゃないっすかね。

そもそもなんでこの俺が 竿屋のこの俺がギターのリペアなんかするか っつーと。。。

大学時代にギターを直して売って って仕事を手伝って小銭稼いでた時期があって

この手の修理はガンガンやってた っつー俺ン中の『思い出』がありまして。



中古ギターで見るべき箇所はネックの反りや捻じれに サドル周りの浮き上がりやサドルに引っ張られてトップの盛り上がり
それにブレイシングっつーボディ内部の骨組みの剥離 で… この個体はそこは全く問題なし 恐るべき精度.






皆様も御存じの通り 楽器の製作やリペアは指物師のように 部分的には指物師より緻密な

0.0何mmの精度の木工作業が求められるワケで 実は竿屋としての俺の原点だったりするんです。

で、俺の思い出 原点 ノスタルジー 温故知新 って事で 買っちゃったんですね?

あの頃の『勘』を呼び覚ましたくなりましてどうにも。。。



MORRIS はアコギの共鳴理論を熟知しているメーカーのひとつだけど 商業的で過小評価されてる感が否めないのも事実
結構ガサツに扱われて思い出と共に埃を被って傷だらけ… ってのは悲しいので AE86的な天才化けチューンを施します.






っつー事で ネックのチェックを入れて… 驚いた事にネックの反りは確認されず幸先よろしい。

でアップグレードパーツをオーダー掛けまして。。。 にしても この20年で 随分とパーツも進化したモンだねぇ

TUSQっつー人口象牙なんて夢のような代物までいつの間にか誕生してるし。

粛々と次の作業 くたびれたパーツの取り外し とクリーニングをおっ始めまして。



とにかく No Life, No Music って事で。


 



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Posted by モッズおじさん  at 23:15 │Comments(0)おじさんのひとりごと

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